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Owl Street Journal

すべての自由人に捧げる「ふくろう通り白書」。時代の変わり目に起こる出来事を左斜め下からブッタ斬り!

共謀罪上程阻止!3.9参議院法務委員会傍聴記

 

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この日の傍聴人は私とメーリングリストからの参加希望者の2名。
参議院法務委員会は、安倍首相の所信表明演説衆議院でのやり取りについて、各委員が金田法相や関係省庁の担当者に質疑するという内容だった。
なので外国人実習制度や諫早湾干拓事業訴訟、沖縄の山城氏長期拘留、再犯防止法など取り上げられた項目は多数あったが、やはりもっとも時間がかけられたのは共謀罪に関する質疑だ。

まず、「共謀罪法案」というものは正確には「組織犯罪処罰法の改正」によって「テロ等準備罪」と呼ばれる罪状を創設すること、そこから始まる。
テロを含む国際組織犯罪を防止するための国際条約「TOC条約」の締結のため、このように国内法を整備する必要があるとのことだ。

ここで疑問。
そもそも国際条約は憲法を含む国内法よりも上位に位置づけられるものではなかったか、だからTPPの「ISD条項」が発効されることで憲法が実質無効になるという危惧を私たちは抱いたのだが・・・。
つまり、「TOC条約」に締結するためにテロ等準備罪(=共謀罪)が必要という論理はここでも破たんしているはず。
どなたか詳しい人がいたら教えてください。

金田法相によると「テロ」の定義は「特定の主義主張を国家等に強要し、恐怖を与える目的で人を殺傷するような行為」だという。
これは東徹委員(維新)とのやりとりで語られた。
また、各事犯において犯罪を成立させる要件は裁判所が認定するので捜査機関(警察)による恣意的運用はできないとも答えた。
つまり疑わしきは何でも逮捕、などということにはならないと言いたいらしい。しかし実際には逮捕状は警察が請求すれば90%以上発行されている、これはどのようなチェック機能によってそうなっているのか? という質問に対して明確な答えはなかった。

また、有田芳生委員(民進)はオウム真理教事件のときの事例を用い、新法制ではどの段階でどの対象者までが犯罪として取り上げられるのかということを質した。

確かにオウム真理教による地下鉄サリン事件は未曽有の被害を生み出した他に例を見ない事件であり、同教団は「テロ組織」という見方をされても不自然ではないだろう。

この事件で起訴されたのは60人、逮捕された信者は百数十人。しかし、事件当時、オウム真理教には国内だけで1万人以上、ロシアでは5万人の信者がいた。そのなかにはこの事件について全く知らない人もたくさんいる。
そう考えると人の集団を「テロ組織」「組織的犯罪集団」などと特定することの恐ろしさも透けて見える。

オウム信者のような変な人間たちを野放しにするといつ犯罪に巻き込まれるかわからないから早めに取り締まっておいてほしい」
人は我が身かわいさにそんなことをつい思いがちだが、危機感に付け込まれないようにしたいものだ。
オウム真理教だって最初は、ヨガや瞑想を通じて内心の平安を得ることを目的としたグループだったのだから。
「自分を変な人と思っている人は一人もいない」という思い込みを疑ってみれば、その理由も明白になるのではないだろうか。

また、一度くらい「この世などなくなればいい」と自暴自棄な思いに駆られたことがある人ならば、権力側が個人の「内心の自由」に踏み込むことを許し、それに可否をつける制度のおぞましさが理解できるのではないだろうか。
言論や表現の自由内心の自由は同じものだ。気がつかないうちにそれらをすべて失っていて、「安部首相、万歳」なんて言わされることがないように。