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Owl Street Journal

すべての自由人に捧げる「ふくろう通り白書」。時代の変わり目に起こる出来事を左斜め下からブッタ斬り!

「共謀罪」のおぞましさ

共謀罪」のおぞましさとは、ひとことで言うと「あなたがしていること(行為)の意味は私たちが決めますよ」ということを政府に宣言されているところだろう。

もしも、その行為が「悪いこと(犯罪)」であったにせよ、その罪と罰を決めるには根拠となる法律が必要であり、そのために、すでに運用されている刑法がある。

今国会でされようとしている法改正によって起こることは、こうした「筋の通った」法体系が根本から覆されることなのだが、そのおぞましさのリアリティはまだ薄い。

なぜなら「テロ等準備罪」という罪状が、あたかもこの法改正がテロ防止を目的としたものであるかの誤解を与えているためだ。

今回、新設されようとしている「テロ等準備罪」がなくても、テロリズムを未然に防ぐための法はある。破壊活動防止法暴力団対策法、銃刀法、組織犯罪防止法などの刑法であり、それぞれの罪状に応じて「予備」「未遂」といった段階であっても処罰の対象となる。

ではなぜ、今、この法改正を行おうとしているのか?

「共謀」を「罪」とする「共謀罪」を新設するためである。
共謀、すなわち「話し合うことが罪となる」、このことの意味の恐ろしさは計り知れない。

朝から晩まで、人はいろいろなことを話してコミュニケーションする。
その内容の「何が罪で何が罪でないのか」
そんなことをだれが決められると言うのだろうか?

「はい、私たちが決めますよ」
と政府は言う。

大げさな表現でも何でもなく、この法案の主旨とはそういうことだ。

そもそも「テロ等準備罪」で言うテロリスト、テロリズムとは何なのかという定義づけのための議論さえないのだから。

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「なんだか生きづらい世の中だね」
「もっと社会を変えたいよね」

という会話が現政権を否定し、その転覆を画策する行為だとして「(反政府)テロ等準備罪」となり、ある日突然逮捕されるかもしれない。

誰がテロリストで、どんなことがテロリズムなのかということも

「はい、私たちが決めますよ」
「あなたたちがテロリストかどうかは私たちが決めます」by政府

関東学院大名誉教授足立昌勝の解説、そして国会のなかでこの法改正についての成り行きを見てきた真山勇一参議院議員の話を、思い切り要約するとそういうことになる。

この構図は過去3回提出されて3回とも廃案になったその内容と変わらない。

難しい専門用語を駆使した条文に隠された意図は、単純すぎて逆に笑える。

だから2005年の共謀罪反対運動では、メイドの扮装をした「アンチ共謀罪ガールズ」や、「変な共謀罪」のコミックソング、「悪い子の安倍首相にはプレゼントを上げない!」と自民党本部前でサンタクロースの格好で叫ぶなど、「笑えるデモ」が功を奏したのだが、ここに来て4度目の上程がされようとしている。

この法案が通れば、改憲に向けての大きな流れにアクセルを踏むことになる。
共謀罪」の新設は、それ単独で動いているのではない。
安保法制もそのひとつだったのだが、それと同じか、より加速させることになるだろう。

なぜなら、安保法制反対のデモのようなことさえが、規制される法だからだ。

「自由」とは何だろう?
「自分のことは自分で決める」ということではないのか?

本当に、私たちの「自由」が瀬戸際に来ている実感を一人でも多くの人と共有したい。